知財高裁 特許訴訟 カプコン v. コーエーテクモゲームス

カプコン(原告)が保有する特許をコーエーテクモゲームス(被告)が侵害したとした特許訴訟において、知財高裁は原告の2件の特許権に対する被告の一部の製品による侵害を認め、1億4,384万3,710円(損害額1億3,077万3,710円、弁護士費用等1,307万円)の支払いを被告に命じる判決を言い渡しました。一方で、裁判所は、被告の製品の一部は非侵害と判断しました。以下は、本判決の抜粋です。

本件特許Aの技術分野が属する分野の近年の統計上の平均的な実施料率が,本件アンケート結果では2.5%(最大値4.5%,最小値0.5%,標準偏差1.5%)であり,同実施料率は正味販売高に対する料率を想定したものであることが認められる。(中略)本件発明A1の代替となる技術は存在しないこと,控訴人と被控訴人は競業関係にあることなど,本件訴訟に現れた事情を考慮すると,特許権侵害をした者に対して事後的に定められるべき,本件での実施に対し受けるべき料率(以下「本件実施料率A」という。)は,消費税相当額を含む被控訴人の正味販売価格に対し,3.0%を下らないものと認めるのが相当である。(中略)当該製品の販売価格全体をもって,本件実施料率Aを乗ずべき売上高とするのが相当である。特許法102条3項により算定される損害額は,別紙10のとおり計算され,その合計額は1億1667万3710円となる。

本件特許Bの技術分野が属する分野の近年の統計上の平均的な実施料率が,本件アンケート結果では2.5%(最大値4.5%,最小値0.5%,標準偏差1.5%)である。(中略)本件発明Aの重要性と比べても,その価値は低いものであること,控訴人と被控訴人は競業関係にあることなど,本件訴訟に現れた事情を考慮すると,特許権侵害をした者に対して事後的に定められるべき,本件での実施に対し受けるべき料率は1.5%を下らないものと認めるのが相当である。したがって,本件特許権Bの侵害について,特許法102条3項により算定される損害額は,1410万円(9億4000万円×1.5%)となる。